山田稔さんの自選集T、U、Vが届いて、
読み始めました。
1930年生まれのフランス文学者。京大卒。京都人。
ゾラの翻訳者であり、若い頃はフランスにも住んでいました。
その時のことや、交流があった文学者のことなど、
いろいろ書いています。
文章がとても読みやすくて、素晴らしい。
どんどんその世界に引き込まれます。
ユーモアがあって、人を見る目が優しく、
文章がうまいのでどんどん読めます。
品の良さ、性格の良さが感じられ、
感覚的にも共感できることが多く、
例えば映画の感想とかも、そうそうと、
すごく共感できます。
なので、本の中に出てくる本は読みたくなるし、
映画も見てないものは見たくなります。
もうどっぷり、山田稔さんにはまっています。
何しろ、最低限の家事を済ませて、朝から夜中まで。
何でものめり込む性格の私なので、止まりません・・。

自選集Vの最後に自筆年譜があって、
それがまた、面白い。
時代がよくわかります。
見ていると、78歳のとき、「特別な一日」という本を
出したことが書いてありました。
「特別な一日」!!
最初、本が回ってきても、山田稔という名前に
全く記憶がなかったのですが、
「特別な一日」は、読んだことがあるし、
確か、本もあるはず、と探すと、ありました!

それは同名の映画について書いてあるのですが、
その本を読んで、映画が見たくなって、
見た記憶がよみがえりました。
そうか、何か懐かしいような文章だと思ったのは、
そうだったのか、、。
というわけで、山田稔さんの本を、
何度も読み返したり、
図書館で借りたりして、ずっと読んでいます。
一人の作家にはまると、
大体、その人のほかの本も一通り読む癖があるのです。
天野忠さんのことを書かれているので、
天野忠の詩を、また読み返したり、、。
歳を重ねて読むと、
若い頃にはわからなかった良さが、
改めて感じられるなあ、と実感します。