2021年01月27日

「彗星の孤独」

寺尾紗穂さんの本を、いろいろ読みました。
第二次世界大戦下で、南洋に生きていた人々を
訪ね歩いた「南洋と私」、
「あのころのパラオをさがして 日本統治下の南洋を生きた人々」
「原発労働者」など。
三人の小さい子供を育てながら、
精力的に書かれている姿に驚くとともに、
話を聞いた人に、深く心を寄せる姿勢に、
とても共感しました。
「原発労働者」のなかで、彼女も書いているように、

「ひとごと」を「わがこと」として感じること。
考えてみること。

の大切さ。本当にそう思います。
音楽家、シンガーソングライターとしても素晴らしいけど、
文筆家としても、素敵な人だなと思いました。

彼女の本で、特に好きだったのが、「彗星の孤独」。
日々の暮らしの中で、また、ライブで全国を回りながら、
感じたことを書いているのですが、
あちこちに、光る言葉があって、
いいなあ、と心に残りました。
そのいくつかを紹介しますね。

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「2018年、私たちは、普段横軸の世界に生きている。
生まれてから出会った人たちのことを考えたり、
いがみあったりしながら、同じ今を生きている。
けれど、詩の朗読や音楽というものは、そこに、
縦軸を現前させることができるように思う。
目に見えないけれど、確かに人を一瞬で
未来や過去に連れていってくれる。」

「考えてみれば人と人の関係も音楽のように目には見えなくて、
ある日突然途切れたり、転調しうるはかなさを持っている。
私たちはたよりなさを生きる。たよりない日々を生き、
憤ったり悲しんだりしながら、自らを抱えている。
それでも人が生きて行くのは、いがみあったり争ったり
するためではなく、調和の音を鳴らすためだと信じている。
音も狂い、加えて不協和音が鳴り始めているように思われる
この世界の中で、せめてひと時、
あなたと美しい音楽を奏でたいと思う。
同じ時代に生まれた私たちが一緒にいられる時間は、
長くはない。」

生活保護を受けている人や
路上生活経験者が芸術活動をしていることに触れて、

「文学や芸術はもっともっと一個人に開かれていいものだと思う。
誰がいつ始めてもいい。その巧拙やレベル如何に
最後までこだわる人もいるだろうが、一番大切なのは
一人の人間にとっての切実な表現と喜びがそこにあるかどうか。
それから、それを認めて受け入れてくれる人が身近にいるかどうか。
これは、人の幸福を決める大きな要因であり、
人が生きていく上で、最強のセーフティーネットになりうるとも思っている。
『社会の役に立たないからなくてもいい』
『レベルが低くて中途半端だから価値がない』
こういう硬直した考え方を前に、しなやかに返答し続けるものが、
芸術であり、文学ではないかとも思う。」

本の前後に、父、寺尾次郎さんのことが書かれているのも印象的。
2、3日前、何気なく見ていたBSの映画の字幕翻訳に、
寺尾次郎の名前があり、何というタイムリー!




posted by kaze at 20:06| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年01月13日

服のはなし

新聞記者をしながら、休日に服を縫うようになり、
自分の服やお母さんの服を縫っていた行司千絵さん。
着ていると、それがだんだん評判になって、
友人や知人から、服を頼まれるようになります。
その人に似合う服を考え、自由に作る楽しさ。
何より気に入ってもらえて喜んでもらえる幸せ。
そんな服をまとめた『おうちのふく』
作ることの楽しさや喜びが伝わってきて、
読んでいる私も嬉しくなる本でした。
作るって、ほんとに楽しい♪。
このワクワク、ドキドキに、取りつかれると
止まらなくなりますよね。
わかるわぁ♪
最近新しく出された『服のはなし』
服を作りながら、いろいろ思うことを綴られた本です。
服にまつわる思い出、生きてきた時代、
既製服が作られている背景や社会問題など、
親しみやすい語り口で書かれていて、共感しました。

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服といえば、
昨年の秋ごろだったか、たまたま「News 23」で、
コム デ ギャルソンの川久保玲さんが、
短いインタビューに答えられているのを見ました。
普段は、TVに出ることなどない方なので、
見入ってしまいました。
コロナで、制限だとかできないことが多くなり、
それに慣れてしまうことの危険性に触れ、
「こういう時だからこそ、新しいことに向かって
進まなければいけない。」と言われていたことが印象的でした。

今まで40年間、続けてこられた原動力は?と、聞かれて
「反骨精神というか、なにか普段から、
こんなことがあっていいのか?と思うことに対して、
いつも憤りを感じながら、
それをエネルギーにしながらやってきたということだと思います。
人間は厳しい状況であれば、それをバネにして、
もっと前に行くパワーがあるはずです。」
そして、ファッションとは?と聞かれて、
「自分を表現する材料でもあるし、
刺激を受ける材料でもあるし、
絶対必要な存在だと思います。」
78歳になるという川久保玲さん。
かっこいいなあ!

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posted by kaze at 20:23| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年01月11日

寺尾紗穂さん

年末に県立図書館に予約していた寺尾紗穂さんの本。

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『彗星の孤独』
日々の暮らしの中で、あるいは
ライブで全国を回りながら感じたことが書かれていますが、
共感を持って、一気に読みました。

路上生活者、原発労働者など社会の底辺で生きる人たちにも寄り添いながら、
きちんと物事を考えているのが伝わってきて、とても嬉しかった。
そういうところから、彼女の歌が生まれているのですね。

YouTubeのコンサートで聴いた徳之島のわらべ歌
「なくないよ」がとても好きだったので、
わらべうたのCD、買ってしまった♪

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posted by kaze at 18:02| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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