2020年02月21日

つつんでひらいて

装幀者菊地信義さんの仕事をドキュメントした
映画「つつんでひらいて」を見ました。
本好き、紙好きにはたまらない映画でした。
菊地さんが、紙にこだわり、文字にこだわって、
その本の本質的なものを、見える形に作り上げていく作業は、
発想から製本に至る創造の現場に
立ち会わせてもらっているようで、わくわくしました。
1.jpg

今は、装幀もコンピューター上で作る人がほとんどだと思いますが、
菊地さんはすべて手作業で行っています。
活字見本で選んだ文字をコピーし、切り貼りし、
本の見本を作っていく。
鉛筆、定規、ハサミ、糊、手が動く動く。
変わっていく時代の流れの中で、
ずっと変わらない手を使うものづくりの行程。
こうでなくっちゃ。
コンピューターでは手触りや温かさは伝わりません。

私も以前、「つめくさの信号」という詩誌の
編集にかかわっていたことがあって、
菊地さんと同じように、文字をコピーし、
切り貼りして、印刷屋さんに渡す版下を
作っていたことがあります。
その作業を懐かしく思い出しました。

印刷、製本の現場にいる人たちも、
知恵を出し合い、本が出来上がっていく。
菊地さんをはじめ、本を作る人たちの
本への愛情が伝わってきて、心から嬉しく、
見終わった後、すがすがしい幸せな気持ちになりました。

映画の中で、先日講演を聞いたばかりの若松英輔さんの
「イエス伝」が出てきたのも驚きでしたし、
画面からあふれる菊地さんの人間性が、
とっても素敵でした。
「デザインは設計ではなく『こさえること』」
「他者があってのデザイン」
「他者がないと人は存在しない」など
心に深く刻まれる言葉も印象的でした。

https://www.magichour.co.jp/tsutsunde/




posted by kaze at 21:24| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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