展覧会まであと1週間。
あれもこれもと思いますが、
そろそろ時間切れです。
このところ、藍染のアク抜きに追われていました。
藍染は染めた後も、何度も水に通して、
しっかりアクを抜かなくてはならないのです。
3日に1度くらい水に付けると、
水が黄色っぽくなるのですが、これがアクです。
水に通すたびにアクが抜けて、藍色が澄んで美しくなります。
染めたばかりの時は、アクも一緒に染まっているというわけです。
以前、くすんだ色が藍染の色という染色家がいて、
ビックリしたことがあります。
美しい藍の色には透明感があります。
そのためには、きちんと染めることと、
染めた後のアク抜きも大切な作業なのです。
それどころか、
アクの抜けないものを折りたたんでしまっていると、
折った所が変色してしまい、どうにもならなくなります。
私は、出来たら10回くらいアク抜きをしたいので、
アク抜きに1か月かかってしまいます。
縫って絞るのに、時間がかかり、
染めるのにも、濃い色は20回から30回以上染めるので、
手間暇かかります。
染めた後もアク抜きに時間がかかり、
なかなかわかってもらえませんが、
藍染って本当に大変な作業なんです。
おまけに藍染の素になる藍の葉を発酵させたスクモは、
作る人が減って、とても高価です。
材料費や手間暇を考えたら、全く割に合いません。
でも好きだから、やれるのです。
藍染と言っても、最近は、化学染料が入ったものや、
化学染料でほとんど染めて、最後の2、3回だけ
藍がめにつける人が、多いそうです。
大和藍というのも、半分化学染料が入っています。
以前、仕事で藍染をされている方に伺ったことがありますが、
20回も染めていると、とても商売が成り立たないので、
化学染料で染めた後、最後に藍につける、と言われていました。
並べてみると色の違いは歴然としているのですが、
それだけ見ると、見慣れない方にはわかりにくいのです。
ただ、使っていて、退色していくときに、
本藍で染めたものは、薄い色になっても美しいですが、
化学が混じっていると、汚い色になっていきます。
そこが、違います。
