2020年02月26日

プラテーロとわたし

私と同じ、本と映画とものづくりが大好きな友人がいます。
好みもとても似ているので、
お互い、いいなと思うことや本や映画に出会ったら、
薦め合っています。
「あの映画、すごく良かったから、絶対見てきて!」
「この本、感動したよ。読んで。」と、
情報や本が行ったり来たり。
そして、そのことを分かり合える喜び。
これが無上の幸せ。

最近、彼女から届いた「プラテーロとわたし」。
スペインの詩人ヒメネスの詩
「プラテーロとわたし」から選ばれた28篇には、
テデスコのギター用の作曲があります。
大作康司さんが演奏するギターに合わせて、
波多野睦美さんが詩を訳され、。
それに山本容子さんの銅版画が付いた1冊。
山本容子さんの版画も素敵です。
いいなあ。
もし、朗読&演奏会があったら、聴いてみたいなあ。
波多野睦美さんのコンサートは、岡山に来て間がないころ
蕃山教会で聴いたことがあり、大好きになりました。
CDも何枚か持っています。
そういえば友人にも以前CDをコピーしてあげました。
澄んだ美しい声とメロディ。
心が洗われます。
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彼女の本を返す時に、私の本を渡します。
私が持っている「プラテーロとわたし」は、136篇。
長新太さんの挿絵も実にいいのです。
ゆっくりした時間が流れていきます。
プラテーロとわたしの友情。
読んでいて、亡くなった猫のアスランを思い出しました。
この猫とは本当に気持ちが分かり合えました。
私が悲しい時、
「大丈夫?」というように私を見て、
さっと膝に乗って、慰めてくれる猫でした。
プラテーロはロバだけど、わかるなあ。


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2020年02月25日

降りつむ

降りつむ    永瀬清子

かなしみの国に雪が降りつむ
かなしみを糧として生きよと雪が降りつむ
失いつくしたものの上に雪が降りつむ
その山河の上に
そのうすきシャツの上に
そのみなし子のみだれたる頭髪の上に
四方の潮騒いよよ高く雪が降りつむ
夜も昼もなく
長いかなしみの音楽のごとく
なきさけびの心を鎮めよと雪が降りつむ
ひよどりや狐の巣にこもるごとく
かなしみにこもれと
地に強い草の葉の冬を越すごとく
冬をこせよと
その下からやがてよき春の立ちあがれと雪が降りつむ
無限にふかい空からしずかにしずかに
非情のやさしさをもって雪が降りつむ
かなしみの国に雪が降りつむ。



1947〜1948年ごろ、書かれた詩です。
すごいなあ。
永瀬さんの詩を読むと、
いつも勇気づけられます。
私の生きている少し前を
永瀬さんのような女性が生きてこられたことに。

先日、ある人と永瀬さんの話をしていたら、
その方が、
永瀬さんの家の蔵を解体したときに出た
床板を持っていると言われたので、
思わず「1枚ください。」と言ったら、
すぐに持ってきて下さった。
その方は、その板で、まな板を作ろうと思っているらしい。
私は、当分、このままで、
この上を永瀬さんが歩いたのだと、眺めているつもりです。
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岡山に転勤が決まった25年前、
岡山に行ったら永瀬さんがいる、と
お会いできるのを楽しみにしていたのですが、
来て早々、亡くなられたのでした。
実際にお会いできなかったのは、とても残念ですが、
詩を読むことで、いつでも会えますね。


posted by kaze at 21:11| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年02月24日

変わっていくのは・・

茨木さんが、
「まっとうに生きている」と言ったブータンの子ら。
しかし、きっと今は、ブータンの子らにも、
変化が起きているのでは、と思います・・。

27年前、バリ島に行きました。
その頃のバリは、まだ観光客も少なく、
ずっと昔から続いているバリの文化が残っていました。
一緒に行ったのは、当時、子供も大人も楽しめるバンドを
やっていた「トラや帽子店」の人たち。
今は解散してしまったけど、
「世界中の子どもたちが」は、音楽の教科書にも載っているそう。
中川ひろたかさんは、
楽しい絵本もたくさん出されています。

それは、バリの芸能文化を訪ね、交流する旅でした。
バロンダンス、レゴンダンス、ジェゴク、ガムラン、ケチャ、
アユン川のラフティングなどいろいろ楽しみ、
タガス村で、現地の子どもたちと交流。
小学生だった娘も一緒に連れて行ったので、
みんなで遊んで、歌ったり踊ったり。
ガムランの人たちともジョイントしたりしました。
夜、真っ暗な中でのケチャは、すごい迫力でした。
観光用ではない本物のケチャでした。
あの時の暗闇の深さ。
あんな深い闇は、それ以来感じたことがありません。
昼間は農作業をしたり、普通に働いている人たちなのです。
バリ・ヒンドゥーを信仰する、自然と一体となったつつましい生活。
そんな暮らしの中に、素晴らしい芸能が溶け込んでいるのです。
何て豊かなのだろうと、高い精神性感じ、感動した旅でした。

最近バリ島に行かれた人の話では、
どんどんリゾート化が進んでいて、
西洋人たちが押し寄せる観光地になっているとか。
ウブドもたくさんのバイクが爆走しているそうです。
きっとベトナムのホーチミンみたいになっているんだろうな。
ウブドは27年前は、静かな田舎の、芸術の村だったのに。

それから10年くらいして、
ベトナムの山岳少数民族が藍染している村を訪ねました。
ハノイから10時間、夜行列車に乗って、
着いたところから山奥に入ります。
黒モン族のカットカット村、赤ザオ族のタフィン村、
ザオ族のターバン村、ラオチャイ村などに行きました。
昔ながらの藍染を見ることができましたが、
刺繍する糸は、既に化学染料の糸も使われていました。
こんな山奥にも徐々に町の文化が入ってきていて、
変わってしまうのも時間の問題だな、と予感しました。
今はもう、昔ながらの藍染も、なくなっているかもしれませんね。
観光的に少しだけ残っているとか‥。
彼らにも生活があり、変わっていくのは仕方ないのですが、
グローバル化のかげで、素晴らしい文化が、音を立てて、
なくなっていっているのは、もったいなくてたまりません。

ブータンの子らが、「まっとうに生きて」いますように。
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posted by kaze at 21:36| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする