とても紹介しきれませんが、あといくつか紹介します。
18〜19世紀、狩猟クラブのために特別に作られた
ハンティングボタン。
狩りの獲物や猟犬などがモチーフになっています。

ミクロモザイクボタン。18〜19世紀、イタリア。
メタルの土台に、色付きガラスの小片を並べて作っています。
とても細かい作業です。

アール・ヌーボーボタン。19〜20世紀。
アール・ヌーボー様式が流行った時代、
ボタンも、流れるような優美な曲線のデザインのものが
作られました。


アール・デコボタン。1910年から30年代。
アール・ヌーボーに代わってアール・デコ様式が流行ると、
ボタンも、幾何学的で単純な形のデザインに。

ユニフォームボタン。
イギリス軍の軍服に付けられたユニフォームボタン。
銅製で、中空の球形。今では作ることができないとか。

こちらは第2次世界大戦中の日本の小学生の学生服に
付けられたボタンです。
満州事変(1931年)の勇士の像「肉弾三勇士」のデザイン。
こんなところにまで、時代の影響が見られます。

こんな風に見てくると、よくわかりますが、
洋服のわき役であるボタンという小さなものの中に、
作られた時代の文化や技術が、詰め込まれています。
逆に言うと、ボタンを見ると、
その時代の文化や技術が見えてきます。
今は、洋服も大量生産され、使い捨てされています。
以前は手作りする人も多くいましたが、
今は買った方が安いし、サイズも豊富です。
以前は捨てるときに、ボタンだけは取っておきましたが、
最近は取っておきたいボタンが付いていません。
今、洋服づくりを学んでいる学生さんや、
洋服をデザインしたり作っている若い人は、
もしかしたら、こんな素晴らしいボタンがあったことを、
知らないかもしれません。
是非、日本が誇るボタン博物館に行って、
実際にアンティークボタンを見て、
その世界を感じてもらえたら、と思います。